はじめに
前回に引き続きシグマ製EFマウントレンズをパナソニック、シグマ、ライカの
Lマウントボディで使うためのAFアダプター(コンバーター)についてで、今回は
手持ちのキヤノン純正EFレンズでAFテストをしてみます。
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なお、シグマ製以外のEFマウントレンズの動作保証はされておらず、さらにAF-C
タッチAF、動画撮影時のAF連続動作、MFガイドが使えないなどの制限あり。
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これまでシグマ製のレンズは買った事が無く、EFマウントのレンズは
ここ10年以上更新をしておらず古いキヤノン純正しか持っていません。
よって動作保証外となるのですが、保有レンズ中テレコン、MFレンズを除いた
7本での個別AFテストをしてみました。
動作テスト方法
今回は シグマ MC-21 EF-L マウントコンバーター を介して手持ちの
キヤノン 純正EFマウントレンズをパナソニックの S5 に装着し
レンズの絞りは開放で動作状況やピントのテストを行います。
テストは室内、自然光、光の条件違いで距離は4mと5m
AFモードは1点でセンター固定、AFエリアは最小、レンズはAF
ボディがMFモードにてピントを外した状態からAF ONボタンで
AF駆動し、合焦マークが点灯した後、シャッターリモコンにて
撮影してピントが合っているかを判定しました。
センター出しをきっちりとするために50mm以下のレンズではMFアシストで
拡大表示してAF駆動しましたが、このMFアシストを使用しない場合には
別の結果となる可能性があります。
また、カメラやマウントコンバーターのファームウェアの違いや光線
明るさなどの条件により結果に違いが出ると思われ、さらに動作保証外
という事もふまえてあくまでも参考程度として下さい。
ズームレンズの場合はワイド端とテレ端の両方でテスト。
撮影ターゲットは自作した幅、高さ共に200mm程度の放射線です。

使用三脚は ARTCISE AS95C 40mm径カーボン三脚で石突を GITZO の
50mm大型石突に交換し、センターポールは INNOREL のパイプ径40mm
RT90Cシリーズ対応品を付けた物。
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雲台はSUNWAYFOTO GH-PRO II ギア雲台でヘッドを同メーカーの
ギアパノラマクランプ GC-01 に載せ替えた物を使いました。
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どっしりと安定し、センター出しも快適に行えました。
以降焦点距離が短いレンズから個別のテスト結果です。
EF16-35mmF2.8L USM
2001年12月に発売された 16-35mm F2.8 Lレンズ。
飛行機の撮影目的でボディと長いレンズを買った後に
広角が欲しくなり、購入した物。

ワイド端の16mm(MFアシストで拡大表示してテスト)
速いと言ってもピント位置を前後にサーチするので瞬間的に合焦する
訳では有りませんが、スッスッと動いてピントが合う感じで正確なAFでした。
合焦率 | ピント位置サーチ回数 | |
---|---|---|
100% | 1回程度 | 速い |
テレ端の35mm(MFアシストで拡大表示してテスト)
サーチ回数は少なくて速いのですが、最後の最後で時間をかけて
ジワーっとピントを動かして行って合焦する感じで、まれに
あきらめて大外ししたままになる事あり。
合焦率 | ピント位置サーチ回数 | AFスピード |
---|---|---|
ほぼ100% | 1回程度 | 最後時間をかけて合焦 |
EF20mmF2.8 USM(MFアシストで拡大表示してテスト)
1992年6月に発売された 20mm F2.8 レンズで、APS-Hのボディならば
26mm相当に、APS-Cのボディでは32mm相当と付けるボディによって
なんとなくよさそうな画角になるので購入。

光の条件によってピントが合ったり合わなかったりと安定しません。
ピントが合っているようで手前に合っているパターンが多い。
条件が悪い所の方が最後にじわじわと合わせて行って合焦する事が多く
合焦率も高い感じですが、安心して使えません。
合焦率 | ピント位置サーチ回数 | AFスピード |
---|---|---|
0~100%(不安定) | 2回程度 | 合焦する時は最後時間をかけて合う |
EF28-135mmF3.5-5.6IS USM
1998年2月に発売された手ぶれ補正内蔵の 28-135mm F3.5-5.6 レンズ。
標準ズームで手ぶれ補正付きのレンズが欲しくて購入。
ピントリングのみ加水分解でベタベタするようになってしまいました。
レンズ側の手ぶれ補正はオフ、ボディのみオンにしないと挙動がおかしくなります。

ワイド端の28mm(MFアシストで拡大表示してテスト)
これも条件が悪い方が合焦率が高いという結果でした。
合焦率 | ピント位置サーチ回数 | AFスピード |
---|---|---|
40~80% | 2回程度 | 並 |
テレ端の135mm
合焦マークの点灯が速い時は大抵ピンボケで、最後にじわじわと
合わせて行って合焦するとピントが合っている場合が多く
条件が悪い所では上記のパターンが少なく、合焦率が下がる。
合焦率 | ピント位置サーチ回数 | AFスピード |
---|---|---|
10~40% | 2回程度 | 合焦する時は最後時間をかけて合う |
EF50F1.4 USM(MFアシストで拡大表示してテスト)
1993年6月に発売された 50mm F1.4 の標準レンズ。
EFマウントで初めて買った単焦点レンズ。
初めて絞り開放で撮影した時、被写界深度が浅い事に驚いたと同時に
感動したのを思い出しました。

AFでは絶望的に合焦しない上、ほとんどが大外し。
まぐれでも合焦しないのでキヤノンのボディに付けて試してみましたが
正常にピントが合ったので、レンズの故障ではありません。
合焦率 | ピント位置サーチ回数 | サーチスピード |
---|---|---|
0% | 3回程度 | リングUSMとマイクロUSMの差の分遅い |
EF75-300mmF4.0-5.6IS USM
1995年9月発売の35mm一眼レフカメラ用交換レンズとして、世界で初めて
手ぶれ補正機構を搭載した 75-300mm F4.0-5.6 望遠ズームレンズ。
飛行機を撮影したくてボディと同時に初めて買ったEFレンズ。
手ぶれ補正があったから当時キヤノンにしたと言っても過言ではありません。
ピントリングのみ加水分解でベタベタするようになりましたが、そのまま放置
していたらなぜか多少ましになってきたのが不思議。
手ぶれ補正はオフでテスト。

AFはインナーフォーカスでは無く、前玉がグルグルと回るタイプなので
期待していなかったのですが、予想を裏切ってくれました。
ワイド端の75mm
ゆっくりとした動作ですが、確実にピントを合わせに行きます。
合焦率 | ピント位置サーチ回数 | AFスピード |
---|---|---|
100% | 2回程度 | 慌てず騒がずゆっくりと |
テレ端の300mm
ささっとサーチしてすぐに合焦マークが出た時は大抵ピンボケで
ゆっくりと合わせて行って最後にじわっと行くと合焦する事が多く
条件のいい方が合焦率は高い。
合焦率 | ピント位置サーチ回数 | AFスピード |
---|---|---|
50~70% | 2回程度 | 慌てず騒がずゆっくりと |
EF100mmF2.8マクロ USM
2000年3月に発売された 100mm F2.8 マクロレンズで手ぶれ補正が付く前のモデル。
別売りの三脚座が欲しいと思いつつ、結局買わずじまい。

フォーカスリミッターは0.48m~でテスト。
サーチは1回程度で素早いAFの上、合焦率が高い結果となりました。
これならば安心して使えます。
合焦率 | ピント位置サーチ回数 | AFスピード |
---|---|---|
100% | 1回 | 速い |
EF100-400mmF4.5-5.6LIS USM
1998年11月に発売された手ぶれ補正付き 100-400mm F4.5-5.6 Lレンズ。
飛行機撮影用でメインボディにほぼ付けっぱなしでした。
初代の直進ズームタイプでお気に入りです。
手ぶれ補正はオフ、フォーカスリミッターは1.8m~でテスト。

ワイド端の100mm
なぜか条件が悪い方が最後にじわっと時間をかけて合わせに行く事が多くなり
合焦率が高くなるが、全体的な合焦率は低め。
合焦率 | ピント位置サーチ回数 | AFスピード |
---|---|---|
10~30% | 2回程度 | 合焦する時は最後時間をかけて合う |
テレ端の400mm
ささっとサーチしてすぐに合焦マークが出た時は大抵ピンボケで
ゆっくりと合わせて行って最後にじわっと行くと合焦する事が多い。
条件が良い所の方が合焦率は高くなるが不安定。
合焦率 | ピント位置サーチ回数 | AFスピード |
---|---|---|
30~90%(不安定) | 2回程度 | 合焦する時は最後時間をかけて合う |
まとめ
以上古めのキヤノン純正EFレンズ7本のテストでした。
レンズ | 結果 |
---|---|
EF16-35mmF2.8L USM | ワイド端〇テレ端△ |
EF20mmF2.8 USM | × |
EF28-135mmF3.5-5.6IS USM | × |
EF50F1.4 USM | × |
EF75-300mmF4.0-5.6IS USM | ワイド端△テレ端× |
EF100mmF2.8マクロ USM | 〇 |
EF100-400mmF4.5-5.6LIS USM | × |
一覧にしてみると結局快適に使えるのは
EF16-35mmF2.8L のワイド端と EF100mmF2.8マクロ。
ゆっくりのAFでもよければ EF16-35mmF2.8L のテレ端や
EF75-300mmF4.0-5.6IS USM のワイド端も使えるのですが
実用的ではありません。
自分の予想よりも悪い結果でした。
今後はパナソニックやシグマのLマウントレンズが増えそうです。
最後に
しかし、この先使いたいレンズが一通り揃ったとしてもこの
シグマ MC-21 EF-L マウントコンバーターを手放す事は無い
でしょう。
TS-E45mmF2.8
AFレンズが快適に使えなくても最終的に TS-E45mmF2.8 の
絞りが制御できればいいのです。

1991年4月に発売されたティルト、シフトができるレンズで
テストの結果フルに動かしてもケラレる事はありませんでした。

さすがにこの手のアオリレンズがパナソニックやシグマから
発売される可能性はかなり低いと思うので、これが使えるのと
使えないのでは撮影の幅が大きく違ってきます。
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!注意!
マウントアダプターは一般的にメーカー純正品を除き、異なるマウント規格同士の
カメラとレンズをを組み合わせるための物です。
そのため、物により製造誤差や設計不良よるレンズ着脱不能、指標のズレ
ガタツキやピントのズレ(無限遠が出ない等)片ボケなどのリスクが生じる事があります。
もちろんカメラやレンズメーカーの保証も受けられませんので自己責任での使用となります。
まずはカメラボディキャップやレンズリヤキャップを付けてみる。
次にジャンク品のカメラやレンズを用意しておいて付けてテストする。
その後で実際に使い始めるとリスクが減らせると思います。
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